企業の不祥事が発覚した際、話題になるのが「企業ぐるみ」とか「組織ぐるみ」という
ことで、全ての企業がこの「ぐるみ」を否定し、ある部署の責任者を処分して収拾を図
ろうとする。「企業トップは知らなかった」というのが大原則だが、それが本当は嘘か
はだいたい察しがつく。

多くの企業は、この様な不祥事で一気に失った信用を、長い時間をかけて取り戻そうと
努力をするが、中にはそうではない企業もある。日産自動車やスバルの様に、対策後も
次々と不正が発覚する企業と、今までの説明が虚偽だった事がばれる企業だ。レオパレ
スなどは後者の典型！もうダメじゃん！

しかも創業者である当時の社長、深山祐助自らの指示だった！「組織ぐるみ」だとか、
「会社ぐるみ」以前の問題！トップ自ら不正を指示していたのだ。この深山祐助は、現
社長である深山英世の伯父であり、会社の金48億円を私的流用して引責辞任した後も親
族の会社で、レオパレスと同業の、株式会社MDIで代表取締役会長を務めている。

レオパレス問題では、優先して引越しが必要な７千数百人の居住者のうち、現在の時点
で引越しが完了しているのは５％強の４百人程度と、先が見えていない。それもそうだ
ろう？見通しが甘いのだ。このレオパレス事件について、会社側は何も想定していなか
ったのだから、引越しどころか交渉も進むはずが無い。

例えば、引越しによって最寄り駅が変わり、通勤通学の定期代が上がること、民間の物
件に入居することは一切想定されておらず、今まで利用していた駅を最寄り駅とする、
自社管理物件への引越しを前提に相談電話を受け付けていた。駅が遠くなって交通費が
上がる、駅からバス利用になる、敷金礼金が必要になる。一切考慮していなかった。

さらに２月に公表した資料から、調査対象にされた物件はさらに増えており、結果改修
の対象となる物件も増える可能性がある。そうなれば、この春の入居者も激減する事は
確実で、もう救いようが無くなるのではないか？不正を指示した創業者に賠償を求めようにも、伯父と甥の関係ではどこまで冷徹になれるか？

今、レオパレスに入居している人は、強引でも早く交渉を終らせて、全く関係ない物件
に移った方が良さそうだ。