原子力規制委員会が国内の原発に「原子炉の工事計画の認可から５年」以内に義務付け
ていた「テロ対策」が遅れている。どの原発も１～２年遅れを表明している様だ。しか
し、規制委員会はこの遅れを認めない方針を示した。遅れれば容赦なく「運転停止」！
これは当たり前のことだ。

東電１Ｆの津波による事故も同様だが、電力会社には自社と社会に対する甘えや舐めが
蔓延している。１Ｆが事前に予想された津波発生の危険性を認識し、防波堤を築いてい
れば、この様な最悪の事態にはなっていなかっただろう。各電力会社は、この様な事態
でも反面教師とせず、テロ対策にも本腰を入れていない。

規制委員会は、何か理由をつけてのらりくらりしていれば１・２年くらい大目に見てく
れるものだと思って舐めている。役所より役所らしい民間企業が電力会社であり、電力
自由化後も、競争相手が小規模過ぎて、そちらすら舐めている。政治の世界と同様、地
域毎に３社ほど大規模な事業者ができ、発送電分離が進まなければ改善しない。

しかも、電力会社はたとえ原発を停止させられても、震災後の全原発停止の時と同様、
発電コストの上昇を理由に、消費者に電気料金として安易に転科すれば良い。自然災害
であれ、テロ等の人為的活動であれ、原発事故が発生した時の惨状、その後長く続く大
きな影響も、国が面倒を見ることを前提にした甘えが、未だにあるとしか思えない。

もう国も東電の処理には一切金銭的支援を止めて、自社で収束させるようにしなければ、
いつまでも電力会社のこの体質は変わらない。