それ、おかしいやろ? 一言物申すブログ

一言物申したいことに一言物申すブログです。

無くなる会社、儲からなくなる会社

忘れていた訳ではないけど、色々書きたいネタがあったので遅くなりました。NHKの
ニュースで紹介された、未来を変える微生物のうちの一つ「磁性菌」については先日書
かせて頂きました。今日はも一つ気になった微生物です。それは「発電菌」実に素晴ら
しい菌です。



これは有機物を分解する際に電子を放出する性質がある菌の総称で、磁性菌と同じ嫌気
のシュワネラ菌が有名です。肝心なのは、「有機物を分解する際に」というところで、
これは電子を放出する際の有機物として、汚水に含まれる有機物が活用できるというこ
とになります。


下水は沈砂池→最初沈殿池をゆっくり通過し、その後の水は「ばっ気槽」と呼ばれる水
槽内で好気性の微生物によって有機物が分解され、最後は処理水として海に放水された
り、「中水」としてトイレの洗浄水に使用されたりします。ばっ気槽の中は、この好気
性の微生物が死なないように、絶えず空気が供給されており、これをばっ気と言います。


ばっ気を行うためには、そこに空気を送るための送風機である「ブロワ」が必要で、こ
れをばっ気ブロワと言います。ばっ気ブロワは、水槽内の水圧に負けずに水処理装置の
噴出孔から空気を噴出させる圧力は必要となるため、高いモータ出力を必要とする事か
ら、必然的に使用する電力量も大きくなります。


ところが、この下水や汚水を処理する微生物として「発電菌」を利用する様になると、
嫌気性の微生物のために「ばっ気」は不要となり、当然ブロワも要らなくなります。
これによって、現在全国の下水処理に使われている電力の80%以上が不要になるそ
うで、物凄い省エネになります。


そして、この菌自体の発電量は、1m3の装置で50kWh程度、一般家庭5件分にもな
るそうで、現在の下水処理場のばっ気槽の容量を考えると、チョッとした水力発電所
程度の発電量は充分期待できます。但し、現在「水処理メーカー」と言われる会社は
業種転換を強いられ、ブロワメーカーは売り上げが大幅に減少するでしょう。


因みに、ブロワで空気を送られ、微細な泡で満たされているばっ気槽内の水に落ちた
ら、絶対に浮かび上がって来ることは出来ません。なので、水泳のオリンピック選手
でも溺れてしまいます。なぜか?チョッとだけ自分で考えてみてください。意外と簡
単な理屈です。