ワイドショーやニュースを騒がせている、積水ハウスが55億円もの大金を騙し取られた
事件、これは「地面師」と呼ばれる輩が起こしたものであるが、それにしても積水ハウス
の様な超大手企業までがやられるとは信じられなかった。こんな詐欺は「ニンベン師」の
存在無くしては成り立たない。

「ニンベン師」とは何か？健康保険証、パスポート、運転免許証などの公的証書や紙幣
を偽造する事を生業とする、所謂裏世界の職人のことだが、なぜ「ニンベン師」なのか？
「偽」という漢字が「ニンベン」だからと言われている。

ニンベン師が偽の旅館女将の身分を証明するための偽造パスポートや土地の登記簿謄本等
の公的証書を偽造しなければ、成し得ない犯罪が「地面師」だ。

私も公的書類や紙幣の偽造はもちろんやった事は無いが、会社の名刺なら偽造した
事がある。急に工場から技術者を派遣する必要があった時、本当に誰も出てこられる
人がいなかった。そこで協力工場の社長が来てくれることになったのだが、当社の社員
としての名刺が無い、そこで・・・

当時は今までのようにＰＣが一人1台の時代ではなく、名刺を作るソフトもダウンロード
できるようなものは無く、そもそもインターネットさえ走りの時代だった。

名刺専用の用紙も売って無かった。そこで東急ハンズで見分けがつかないほどよく似た色と質の紙を購入してＡ４サイズにカットし、今ほど精度が良くないスキャナーで会社の
ロゴとロゴマークを読み取って極限まで修正し、その社長の名刺を10枚作った覚えがあ
る。支店長以下全員が驚愕する出来栄えだった。

それ以来、社内では「2級ニンベン師」の有資格者ということになっている。
なぜ「1級」ではないのか？それは、名刺や免許証とか健康保険証の「写し」を偽造する
方法は知っていて、技能も持っていても、「そのもの」や紙幣を偽造する技能がないか
ら？って言うか方法を知らないから・・・

公的証書の「写し」を提出する場合、それを偽造することなんて実は簡単！また押印
した印影の偽造も、印鑑なんか無くても簡単にできる！

皆さんの運転免許証や健康保険証なども、いつ、どこで、誰に偽造されているか分らない。いつどんな事件に巻き込まれるかも分からない。
皆さん！気をつけましょう！