今日の朝刊に、日産自動車からの告知が掲載されていた。

工場出荷直前の完成車への検査を、無資格者が行っていた問題への
対応だと思う。

「だと思う」としたのは、そうだとした場合、その対応で良いのか
疑問だからだ。

対象となる車は、ユーザーに商品として届けられたもので、国内は北海道
から沖縄まで、全国各地に納車されている。
そのため、ユーザーが、リコール対象車両を持ち込むのは、製造された
工場ではなく「ディーラー」である。

ディーラーのメカニックはメーカーの社員ではなく、完成車を出荷前に検査
する有資格者であるはずが無いのではないか？
ディーラーのメカニックに検査を代行させても、無資格者の検査であることに
変わりは無いのではないか？

素朴な疑問である。

日産自動車は全国全てのディーラーに、自社の有資格社員を派遣するつもりか？
そんなに大勢の有資格者がいるのなら、無資格者に検査させてこんな大騒ぎに
なることも無かったはずだ。

または、ユーザーから預かった車を積載車に載せて、製造された工場へ輸送し、
そこで有資格者が検査をするのか？
それだとユーザーに数日間代車を使用してもらう必要があるため、ユーザーの
車と同一車種の車を用意しなければならない。

よく、小型車や普通車の車検や修理の代車として、預けた車より低ランクの
車を用意されることがある。
車検やメーカーに非が無い修理の場合はそれでも良い。
しかし、今回の日産やスバルのように、明らかにメーカーに非があるどころか、
不正を働いてユーザーに迷惑をかけた場合のリコールで代車が必要になる場合は、
対象となる車と同一車種同一グレードの代車を用意するべきだ。

２０００ccの車を所有している人が、代車として１０００ccの車を用意されても、
ユーザーが支払っている税金の差額が日割りで返金される訳ではない。
もし、排気量が小さな車しか用意できないのであれば、税金の差額を日割り計算
して、メーカーが負担するのが当然！

せこい話をしているのではない。
メーカーが不正は割に合わない事をしっかり自覚するためだ。

世間では数百円の商品を万引きして警察のお世話になり、職を失い一生を棒に
振る話しはいくらでもある。

また、日産車を無資格検査実施品のまま「非正規品」として使用していた期間について、
正規品との差額をどの様に補うのか、一言も触れられていないのも不誠実ではないか？
どんな商品も、正規品よりアウトレット品や少々難あり商品は安いものである。

日産とスバルには、法的責任はもちろん、道義的責任も果たしてもらいたい。