それ、おかしいやろ? 一言物申すブログ

一言物申したいことに一言物申すブログです。

なんで?日頃からできるのに

数年前、ある中部地方の豪雪地帯で、2月に国道のトンネル内の
路面内埋設されている、凍結防止用配管を補修する工事に、元請け会社の
現場責任者として従事する事になりました。


お役所の工事は、余程の事が無い限り、昼間行うのですが、工程表
を引くと、現地での工事期間は5日間となりましたので、その様に
書類を作成して、発注者と打ち合わせを行ったところ、「とにかく
1日でも早く完了して欲しいので、夜間工事でも何でもして欲しい」
とのこと。


下請けの会社と工程を検討し、60時間連続の作業で実施する事と
なりました。
その中には、交通規制とそれを解除する作業も含まれています。
お陰で、会社からは私と昼夜交代する副責任者をもう一人手配しなければ
なりません。


作業開始の朝、下請けの設備業者さん、孫請けのはつり専門業者や誘導員の
責任者を集め、作業の最終手順や安全についてのミーティングを行いましたが、
はつり業者の責任者として来ていた、社長の息子と言う若造は、ポケット
に手を突っ込み、ガムをクッチャクッチャしながら、「どこはつるんすか~?」
と、金髪ピアスで横柄な態度のDQN野郎です。


下請けさんの責任者が「おい!」と言って睨みつけるものの意に介さず
一応ミーティング終了。


工事は、交通規制から始まり、誘導員の配置が終るとトンネル内の路面のはつり
となります。
打設されてから長時間経ったコンクリートは、硬く締まってして、簡単には
はつれません。


近隣に住宅地もあることから、大きな音が出るはつり作業は、19時には
終る必要があるのですが、発注元の課長、係長立会いの下、21時過ぎまで
要しましたが、19時過ぎた頃から明らかにイライラが態度に出始める
はつり業者社長の息子



予定より2時間以上オーバーして、当日予定していた範囲の作業が終ると、
そのまま一服する事も挨拶することもなく、乗って来ていた2tダンプの
エンジンを吹かしてものすごい勢いで走り去って行きました。
当然、はつり業者の作業員さん達も含めて唖然です。


その後、はつり業者さんは帰って、後は、はつった箇所の配管を交換する
作業を、下請けの設備業者さんが行います。
その作業中、本来傷つけてはいけない配管を2本、はつり作業で傷つけて
いたことが発覚、写真を撮って、翌朝発注者のところへ報告とお詫びと
今後の指示を仰ぐために出頭する事になります。


夜間にトンネルの両坑口で車を停めて、片側交互通行していることと、夜中から
明け方に坑口付近の路面が凍結する可能性もあるので、1時間ごとに防寒着の
上から反射ベストを着用し、400m位のトンネルを巡回し、丁度トンネル出口
に差し掛かったところで、坑口に設置した停止線にいる誘導員さんが、一通りの
車列を通した直後、バリバリやかましい音を出して走ってきた、違法改造のバイク
2台を停めてしまいました。
車列の最後尾からその2台が来るまで、5秒も間隔が無かったと思います。


後続車も無かったので、行かせれば良いのに・・・と思っていると、案の定、
1台の兄ちゃんが大声で「オイ!こるぁぁ~!!」
私は思わず携帯を確かめて、通報の体制!



ところが、この兄ちゃん、2台のうちの後ろに停めたのですが、どうもその兄ちゃん
の直ぐ左側にいる誘導員さんではなく、バイクの進行方向に向かって叫んでいます。
私は、現場責任者を示す腕章を付けて、そちらの方向から停止線の方向へ歩いていたの
で、自分が言われていると思い、オイオイ~?勘弁してくれよ~と思いながら進むと


「おめー!停止線ここだ!ここ!バックしろ!!戻れ~」


思わずその違法改造バイクの兄ちゃんに「ご協力ありがとうございます!」と
ヘルメットに手をかけて挨拶すると、「寒い中ご苦労様でっす!」となぜか
敬礼してくれました。


対向車が通過して、こちらからの車を流すと、バリバリバリとトンネルの中に
爆音を響かせて消えていきました。


普段DQNだろうけど、真面目にやろうと思えば出来るのに、もったいない


一方、翌朝、現場事務所に現れた息子君、自慢げに皆さんの前でDQN発言、


「おはよーっす!いや~、ラブホから直行っすよ!」
という社長息子の言葉に、「息子君!ダンプでラブホ行ったのか?」
と笑っている、はつり屋従業員
2時間も仕事が長引いたんで、家に帰る余裕も無くて、彼女カンカンっす!
お陰で高い部屋しか空いてなくて云々・・・


という馬鹿話で盛りあがっているところ、


「息子君ちょっといい?昨日の作業でさ、配管2本破損してんだよね?」


息子君「え?ど・・・どうなるっすか?」顔色変わります。


「今からお客さんのところ行ってくるけど、最悪の時は片側交互通行じゃ
なくて、全面通行止めして、反対車線まではつらないと交換出来ない」


息子君真っ青・・・になったのも一瞬、あっという間に顔汗かいて
真っ赤になりました。


それから片道30km、お客さんの事務所に伺い、課長に報告とお詫び
を申しあげたところ、そこがヤバイとどうなる?と訊かれたので、
恐らくこうなると思いますと答えると、突然大声で笑い出し、


wwwwwしょうがねえ!しょうがねえ!!俺も昨日見てたけどさ!
コンクリ硬くてはつれなくてな?
はつり屋さん機嫌悪かったもんな~?
うんうん!これはしょうが無いよ!いい、いい!このままGOGO!


いやーもの分りも乗りも良い課長で助かりました。
はつり屋さんの機嫌が悪かったのは、別の理由なんですがね?
お咎めナシの理由になったので、黙っておくことにしました。


車に戻って、直ぐに下請けさんの責任者に電話で報告すると、
本当にホッとしていました。


そこから約1時間かけて現場事務所へ戻って、改めて各社の責任者
が集まって、良かった良かったと話していると、時間は11時過ぎ


突然社長の息子は「ちょっと出かけて来ます!」言い残し、また
2tダンプのエンジン吹かせて走り去りました。


それから30分後、戻って来た2tダンプの中から、大きな
段ボール箱を抱えて降りてきた息子君
机の上に置いて、「皆さんでどうぞ!」と蓋を開けると、
中身はたくさんの仕出し弁当とお茶!
明らかに街中の黄色い色の弁当屋さんのそれとは違います。
しかも、全員分で30ありますっ!だそうです。


これは何か?と尋ねると、


「皆さんにご迷惑とご心配をおかけしたお詫びっす!」
とのこと。


今朝、私がお客さんの事務所へ出かけた後、お父上へ起きた事態
を報告すると、結果が分かり次第報告するように言われたとのこと、
更に、お客さんからお咎め無しの沙汰を頂いたことを報告すると、
社長が行きつけの料理屋に無理言って、弁当を用意させ、時間に
なったら取りに行くよう、息子に指示をしていたとの事でした。


こんなものは頂けないとお断りするも、生ものでもあるし、
社長の気持ちを汲んで欲しいとの事で、有難く頂きました。
が、設備屋さんと、誘導員さんどころか、はつり屋さんの従業員
も、全員がお弁当を持ってきていたので、その場で自前の弁当と
2つ食べる人もいれば、冬なので大丈夫!と夕方持って帰る人
もいました。


気の使い方も間違えるとチョッとアレですね?


その後、2時半ごろ、茶菓子を買いに行こうと車のエンジンを
かけると、燃料警告ランプが点灯して直ぐに消えたので、ジモティの
息子に最寄のスタンドの場所を訊いたところ、チョッと待ってください!
と自分の財布からカードを取り出して差し出します。
これは何?と訊くと、うちの会社のカードっす!使って下さい!


さすがにそれは出来ないと、本当に丁重にお断り申し上げて、カードを
持った手を押し戻しました。


DQNって一度懐くとこうなってしまうのでしょうか?


それにしてもあの弁当、千円以上する駅弁より遥かに豪勢だったし、
それを30個だぜ?短時間で和洋折衷の・・・
とりあえず、夕方社長にお礼の電話はしましたが、施工ミスに対して、
何のお咎めも受けずに済んだことに感謝され、ものすごく恐縮されました。
会社に帰ってから、はつり会社の社長宛、近所の有名なお店の
お菓子を贈っておきました。自腹で・・・