それ、おかしいやろ? 一言物申すブログ

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野党の懸念が現実に!

2013年、アベノミクスの一環で労働契約法が改正され、期間従業員が通算して
5年を超えて勤務した場合、対象となる期間従業員が希望して申し出れば、企業側は
「無期」での雇用契約を結ばなければならなくなった。


この5年を超えてという部分がミソで、契約から5年を終了する日に契約を更新
しなければ、5年以内ということになって、5年は超えない。


政府自民党の主張は、これで期間従業員の雇い止めが無くなり、正社員への道が
拓けるとのことだったが、野党は猛反発した。


再雇用までの空白期間が6ヶ月以上あると、それまで勤務した5年間がリセット
されるという抜け道を作ったからだ。
この抜け道がなければ、野党も反発しなかっただろう。


今まで5年勤めた期間従業員は、本人の応募と企業側の採用によって、引き続き
勤務する事ができたものを、この抜け道によって5年を経過する人は一方的に
雇い止めとし、次に応募して採用される可能性があるのは最低でも半年後・・・


2013年の法改正から5年を迎えるにあたり、大手自動車メーカーは、この
法律の中の、抜け道を最大限に利用し、期間従業員には永遠に正社員への道が
閉ざされる人が多く出てくる。



自動車メーカーの多くは、期間従業員との1期の契約期間を6ヶ月とし、それが
満了するたびに満了慰労金を払っており、これが退職金に相当する。
但し最大2年11ヶ月まで契約を更新できることになっており、その期間を勤め
あげた場合、6ヶ月毎に受け取っていた慰労金の総額は、トヨタ自動車の場合
3,064,000円、スバルは同じく2年11ヵ月後の慰労金総額は2,270,000円となる。


正社員として就職後、3年前後勤めての退職を考えた場合、多くの企業は3年
未満での退職には退職金を支払わない事、また、3年を経過した頃の退職金受取
学が数十万円だということを考えると、退職金としては破格だが、ボーナスを
含めた年収と考えると、やはり少ない。


トヨタ自動車の場合、正社員に比べて低い給与に、1回あたりのボーナスが
500,000円、2年11ヵ月後に退職金0と置き換えることができる。


日産やマツダは、これとは仕組みが異なる。


2年11ヶ月経過後は、契約更新ではなく、新規契約と言うことになるが、
ここに「通算して」が関係してくる。


今までは2年11ヶ月の契約を、連続して2回結び、それをそれぞれ
満了すれば自動的に通産して5年を超えて勤務した事になった。


今後、企業側は期間従業員に5年間フルに働いてもらうことなく、通算して
2年11ヶ月+6ヶ月×4回の更新で、それ以降の更新は6ヶ月間受け付け
なくなるだろう。


その6ヶ月間、対象者はどの様に生活するのか?
中には企業の寮に住んでいる従業員もいるだろう。
他の自動車メーカーへ転職先を求めれば、転居も必要になる。
引越しの費用もバカにならない


元々正社員に比べて安くて人員調整しやすい労働力を求めての期間従業員は、
経済的に恵まれていない。
その事が格差問題に現れているにも関わらず、さらに職を失う人が大量に
出る事が現実となった。


失業者を増やし、消費を縮小させて経済を停滞させるのがアベノミクスの
目的だったのか?


期間従業員の入れ替わりを促進し、今まで希望する企業に期間従業員として
採用されなかった人たちが、新たに雇われるため、求人倍率が上がるから
好循環なのか?
そんなバカな話は無い!


非正規社員を減らし正社員として安定した暮らしを送り、消費を拡大して
安心して結婚・出産ができる環境を作るのがアベノミクスではなかったのか?


4年11ヵ月後に無職になる事が目に見えている人が、どうやって結婚し、
子供を作るのか?


法案審議中に野党が懸念していた事が現実になるのは目の前だ