熊本県を流れる日本3大急流の一つ、球磨川に設置されていた「県営荒瀬ダム」
が、工事開始から5年の歳月を掛けて撤去された。
ご覧の様に、ダムというよりは堰という印象のダムだが、役目を終えたものを
残さずに撤去する事によって、河川環境が短時間で復活しているという。
水がきれいになり、蛍が飛び交うようになったそうだ。
蒲島知事は、撤去する事によって、良い面も悪い面もあったと語ったそうだが、
悪い面も含めてダム建設前の自然に近い状態に戻す事ができたということだ。
ダムと聞いて皆さんが思い浮かべる、重力式やアーチ式の巨大なダムではなく、
小規模の堰に近いダムを撤去しただけで、周辺環境は大きく改善する事が
これで分かった。
一方、有明海では諫早湾干拓の水門を開門しない方向で話が進んでいる様だ。
裁判所によって開門を命じる判決と、開門を禁止する判決が出ている中、開門
反対派の意思に沿う方向に話が進むのも、「役所は間違えない」という意味不明
で理不尽な理屈によるものだが、有明海ではギロチンによる諫早湾締め切り
以降、タイラギ漁ができていない事実をはじめ、佐賀・福岡・熊本の漁業に
多大な影響を与え続けている事で、「役所が間違った」事はハッキリしている。
しかも、その間違いを正すのではなく、穴埋めするために巨額の基金を組む
という。
では訊くが、その財源は何?
今も漁業従事者に支払い続けている制裁金の財源はなに?
あの時、政府側に立って「潮受け堤防を締め切っても、有明海に影響はない」
と言い切った偉い学者の先生方は、あれからどうしたの?
一度、元の状態に戻してみるほか、有明海復活の第一歩は無いと思う。