それ、おかしいやろ? 一言物申すブログ

一言物申したいことに一言物申すブログです。

ピンからキリまで

物事にはなんでも「ピンからキリまで」のレベルが存在し、
誰でも「ピン」を好み、「ピン」になりたいのは当たり前だ。


昔読んだ、飛行機のパイロットが書いた本の中に、自分が本当に上手い
と思う同僚のパイロットは全体の数パーセントで、同じ割合で自分がデッドヘッド
でこいつの操縦では乗りたくないと思うパイロットがいると書いてあった。


デッドヘッドとは、コクピットクルーやキャビンクルーが次の乗務の
ために乗客と一緒に客室に乗って、目的地へ移動することである。
例えば、福岡にいるクルーが大阪へ移動し、大阪から羽田へ向かう便に
乗務員する場合、福岡~大阪間はデッドヘッドとなる。


多くは自社便を利用されるが、やむを得ない場合は他社便を利用される
こともある。
余談だが、自分が飛行機に搭乗する時に、早朝の便の後方座席にアサイン
されると、本来は乗務員である筈の皆さんとお隣、もしくは近くの座席になる
チャンスが増える。
とくに天候不良やアクシデントでダイヤが乱れた時に発生しやすい。


我々乗客は、飛行機や列車、バスから自家用車まで、教育・訓練を受け、ある一定
レベル以上の知識と技量を有する有資格者に自分の命を預ける場面が日常的にある。
しかし、その技量には先のパイロットが書いたとおり「ピンからキリまで」が
存在する。
酷い場合には、乗客が運行中にその運転士の技量の低さを感じることさえある。


過去、関東の某市に住んでいた頃、毎回ある決まった運転士の時だけバスが大幅に
遅延し、その後ろに同じ行き先のバスが3台も4台も連なる事が続いた。
道が狭くて大型車の追越ができないのだ。
もちろん、各バス停はたくさんの乗客が溢れる。
その運転士が運転すると、大幅に遅れているにも関わらず速度が極端に遅い!
そんな事が5回ほどあった後、その運転士の姿は見かけなくなった。


列車の運行に於いても、減速や停止時に毎回ショックを感じる運転士もいる。
職業の分野では、新人から中堅、ベテランという区分けも出来るであろうが、
限られた年数しか在籍しないのが学校だ。


先に発覚した大阪大学や京都大学の入試での出題ミスでは、該当する問題を
全員正解として加点し、追加合格者がいる事が発表された。



追加合格となった生徒は複雑な心境ではあろうが、それでも即入学辞退や拒否
ではなく、それなりの補償を前提に、前向きに入学や転科の検討をしている様だ。


しかし、途中入学すると既に今年度入学して最初から授業を受けている他の学生
からは「あいつはキリ」と見られるだろう。


本来入学試験の成績と順位は学生・生徒に知らされるものではない。
入試の成績が下位でも、入学後に努力して成績が伸びる学生も当然いる。
しかし、出題ミスがあった問題を全員正解とされ、僅かな加点で追加合格と
なった学生は、ギリギリで合格できた「キリ」であることが今の段階では周囲の
人間に知れてしまう。


これは、今まで予備校に通ったり、他の大学へ行くため要した費用や、授業の
補完の他に何らかの手当てをされるべき事項ではないだろうか?
しかも、医学部などの国家資格に関わる学科では、他の大学で履修した内容が
通用しなくなるものもあるようで、2学年からの編入が認められない場合が
あるという。
それでも大阪大や京都大に行きたい場合は、本来の同級生が先輩になってしまう
のか?
同学年として補講で無理やり詰め込むにしても、学生の自分の時間を奪ってしまう
ことになる。
本当に気の毒な話だ。


しかも、今、学生として授業を受けている学生の中には、本来不合格であった
人間がいると言うが、そちらはこのまま合格と認める処置だという。


本来「キリ以下」の成績の人間が、それを周囲に知られることなく、自らも
知る事無く学生生活を送り、将来分相応な立場で社会に出るのはいかがなものか?
本来の合格者に頭を下げるのは当然だが、本当の不合格者にも頭を下げるのが
正しい姿ではないのか?


それにしても、今日のテレビ番組で難問が出題されるクイズを観ていたが、
自分がいかに「キリ」であるか、改めて思い知らされた。
答えられる問題なんか殆んど無いよ!