それ、おかしいやろ? 一言物申すブログ

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今のところ航空機の運用が最高

CRMってご存知だろうか?



Crew Resource Management


航空機の安全かつ効率的な運航のために利用可能な人的資源のすべてを効果的に活用する
こと。略して CRMともいう。この人的資源には技術的な能力ばかりでなく,個々人の知
識,情報,状況判断も含まれる。航空機の安全を確保するには,機長だけの技量や決断に
頼るのではなく,副操縦士との協力関係が重要という考え方から,コックピット・リソー
ス・マネジメントの考え方が生まれた。これが発展して航空機関士,客室乗務員など乗員全員の協力と情報の共有が必要であり,それを実現するには相互の理解,調和,信頼など心理的な面も含んだ訓練が必要と考えられるようになり,同じ CRMと略せるクルー・リ
ソース・マネジメントとなった。乗員のチームワーク訓練ということもできる。さらに地上の運航管理者や整備技術者も,安全上重要な役割を担っているところから,CRMの対象
となる人的資源に加えられるようになった。


                  引用: ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


昔、木村拓哉主演のドラマ「GOOD LUCK!!」では、柴 俊夫演じる飛行20,000時間超え
のグレイトキャプテンが、副操縦士の意見を無視して独断で運行し、堤真一演じる査察
操縦士から機長失格の烙印を押されている。


機長は機内において絶対的権限を持ち、非常の場合には乗客に対する逮捕権まで行使
する事が出来る。
しかし、それは権限であって権力ではない。


飛行機は出発時のプッシュバックも誘導路を走行する際も、到着時の着陸もスポット
までの経路も、全て管制官の指示と承認によって行われているが、緊急の場合は
機長からのリクエストが最優先され、管制は地上に安全に降ろすために最大限の
フォローを行う。


周囲を飛行中の他の航空機は、無線の周波数を変更されたり、上空待機を命じられたり、
果ては他の空港にダイバートという事態もあり得る。


のぞみ34号の台車破損事故は、当該列車の乗務員が何度も運転停止と車両の点検を
具申したものの、東京の運転指令が運転続行を命じたとのこと。
どんな仕事でもそうだが、現場にいない運転指令に車両の状況が正確に把握できるとは
思えない。


今回の事故、飛行機であれば間違いなく最寄の空港に緊急着陸するレベル。
運転指令はその判断を誤った。


新幹線も飛行機と同様、運転士や車掌長に機長と同等の権限を持たせ、運転指令は
航空機の管制の役割とアドヴァイザーに徹するべきだと思う。
絶対的権限を現場の責任者以外に与えてはいけない。
更に、今回の場合途中の駅から点検のための技術者とは思えない技術者まで乗り込んで
謝った判断を下している。


ここでJR各車がCRMを取り入れていれば、列車内での協議の結果、運転士判断で
新神戸や新大阪で運行中止していた事も考えられる。


今回の事故では、踊る大捜査線の「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で
起きているんだ!」という台詞も思い出せた。


いずれにしてもJR西日本は、あの福知山線脱線事故並の大事故を起こしかけた。
いい加減「安全最優先」の仕組み構築に本気で取り組むべきだ。


JR東海も「JR西日本が悪い」的発言が見られるが、東京の新幹線総合指令所には
JR東海・西日本・九州の各社指令が同居している。
ここでも縦割りではなく、安全運行に関する情報は共有し、ベクトルを合わせて
対応する必要がある。


あ!因みに飛行機が管制と交信した後に交わす符丁は「GOOD LUCK!!」ではなく
「GOOD DAY!!」ですけどね?